構成主義とは?

~比較表~ 2つのパラダイムの捉え方を比較しています。

構成主義パラダイム客観主義パラダイム
【存在論】
「知る」とはどういうことか、「真理」とは何か
真理は多様である。それはそれぞれの人間の心の中で社会的、経験的な過程を通して形作られるため、基本的に主観的である。人間の外側に自然の法則に従う唯一の客観的「真理」が存在する。
【認識論】
「知ろうとする主体」と「知る対象」との関係はどのようなものか
知る人と知る対象は分けることのできない同一の実体である。知識とはまさにこの二つの相互作用の中で構成される。もし自然法則によって作用する唯一の真実が存在するなら、知ろうとする主体は対象から離れて調べたい変数以外の要因を制御し、実験や観察をする必要がある。
【方法論】
どのように知識を見つけ出せるか
知識は体験と内省の繰り返しの中で構成される。それは弁証法的な過程であり、比較したり、対比したりしながら行われる。仮設を立て、条件を注意深く制御し、検証していく。
【人間論】
人間はどのような特徴を持っているか
人間は自ら知識を構成するために積極的に対象と関わる能動的な実体である。人間の行動も自然法則に従い、外部からの刺激がある行動に導かれる受け身的な実体である。

~教育の側面でみると~

構成主義パラダイム客観主義パラダイム
知識とは学習者一人ひとりの頭の中で構成される。既成の固定したものではなく、個々人自らが編成していくもの。知りたいという意欲に従って、それぞれの主体が獲得する知識の中身が違ってくる。事実は一つだが、知識は人間によって多様に構成される。知識は関わっている状況の中に依存している。教授者(知る者)から生徒(無知、知らないもの)へと与えられるもの。体系だった知識が外界に存在し、どこかに蓄えられる。
学習とは知りたいという思いをもとに考察や探索を行うことで、個人の欲求や目的・価値観が前提となって社会の事象から個人の事象に再構成される過程。学習過程には協働の活動が大きくかかわっており、「断片的な個人の知」が「有機的な協働の知」に変質する。体系だった知識を程度のものから決まった順番に積み上げ、生徒の状況にかかわらず、順番に知識を授ける。行動主義心理メカニズム(刺激-反応、強化)、情報処理モデルをベースにしている。
学習者とは自らが課題を見つけ解決方法を探る。積極的に環境に働きかけ、既存の知識を駆使して新しい知識を主体的に構築していく存在。内省し熟考する。与えられた知識を覚える。記憶中心。いかに正確に大量に記憶できるか。ノウハウと正しい答えを探し獲得する。
講師と生徒の関係教える者の学ぶ者とが非対称の関係ではなく、相互に対等で対照的な関係。互恵的。教師が法則に従ってコントロールする。ヒエラルキーや権力の差が存在する。上下関係。
講師/教師の役割相互の学習により個人では達成できない学びを遂行する。一方的に教え込むのではなく、学びの目的を明確にし、共に学んでいこうとする。知識の体系を順々に計画的に効率よく教え込む。知識を断片的に細切れにして機械的に教え込む。